フラッシュバックの引き金


フラッシュバックはトリガー(引き金)を引く事で引き起こされる

「フラッシュバック」が起きると、つらい映像が伴う事が多いですが、そうした映像が伴わなく、感情だけがよみがえっている事も多いことを前回のコラムで書きました。厄介でつらい過去に引き戻す「フラッシュバック」がどのように起きるのかについては、「トリガー」(引き金)で起きて来る事が多いと言われています。

映画で描かれるフラッシュバックと引き金(トリガー)

カウンセリングでフラッシュバックの説明でよく例に出すのですが、ベトナム戦争について描かれていた映画で、兵士達が祖国のアメリカに無事に帰国出来た後のシーンです。無事にアメリカに帰れる事が分かり、生きていられる、戦争の苦悩何から解放されると大喜びで帰還します(オリヴァーストーンの”7月4日に生まれて”など)。しかし、そうして背後で喜びにあふれて帰国して帰還する事が出来た兵士たちが安全な家庭の中にいても、背後で何か動く音、気配がすると、
まるで、戦場にいるかのようにとてつもない恐怖に陥り、パニックになる兵士たちが描き出されています。

戦場とトラウマ、トリガー(引き金)

背後での音、気配で帰還した兵士達が恐怖に陥るのは、当然の事です。ベトナム戦争はゲリラ戦であるために、どこから、敵の攻撃があるか分からないために
全ての音、気配に備えなければならなかった訳です。同じオリヴァーストーンとの映画である”プラトーン”では”動くもの全てに対して攻撃するシーンが描かれています”。そうした生々しい記憶が、”背後での音”などによって、よみがえり、まるで戦場であるベトナムのジャングルにいるかのようになってしまいます。すなわち、「背後の音」が戦場の記憶をよみがえらせる「引き金」となっている訳です。

いじめの影響で様々な事が引き金に

振り返って見ると、私自身、いじめの被害の影響で、様々な事が引き金になって、フラッシュバックが起こり、つらさ、苦しさの中に陥っていたように思います。それは、自分に対する他者のちょっとした悪意のない冗談、批判、マイナスな事での指摘、関係のない人たちが話している会話の中に感じる悪意、いじめにあっていた風景を思い出す光景など。いじめの被害に会った人は様々な事がフラッシュバックの引き金になる、色々な所に引き金のきっかけになるものが転がっているという危険に満ちた世界となる訳です。

いじめのフラッシュバックには、フラッシュバックに気づく事が必要になる

そのように、いじめの被害にあった人は(トラウマを負った人すべてにあてはまると思います)様々な事がフラッシュバックの引き金になるので、引き金のすべてを避ける事は非常に難しく、不可能に近いと思います。そこで、フラッシュバックに陥った時に、早めに、そのような状態に陥っている事に気づき、自らの安全な場所に移動する、気分を変える行動をするという事をする事が欠かせないと思うのです。

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