いじめによる「心の傷」によって、人と会いたいという強い思いとそれに相反する誰にも会いたいという思いの葛藤に苦しめられる
前回のコラムにていじめの「心の傷」は他者からの”暴力””暴言(恐喝)”といった侵入されるような行為によって、「他者への恐怖」が植えつけられ、結果として「誰からも会いたくない」という思いを強く喚起させるようになる事を書きました。一方で、「無視・シカト」という行為により、誰からも見放される、相手のしてもらえないという「孤独感」を植え付け、その結果、誰か話してくれる、親しくしてくれる人に会いたいという「人への渇望感」を喚起させるようになる事を書きました。
「誰にも会いたくない」「誰かに会いたい」という葛藤の苦しみは、いじめの被 害に会っていた時の圧倒的な「つらさ」を伴う
以前のコラムにて「フラッシュバック」は過去にその人を引き戻す事を書きました。また、「フラッシュバック」はその時のつらい情景を思い出すだけでなく、「感情のフラッシュバック」を伴う事を書きました。ですから、「他者への恐怖」も「孤独感」もいじめの被害にあっている、まさに、その過酷な過去の「苦しみ」も「現在進行形」として感じる訳です。そのために、「他者への恐怖」も「他者への渇望感」も「強烈な感情(苦しみ)」として味わいます。
「他者への恐怖感」「孤独感」は同時に感じる
さらに、いじめの多くは「暴力、暴言(悪口)」「無視・シカト」といった酷い仕打ちはセットで行われます。そのため、一方の「フラッシュバック」だけが生じるという事は少なく、両方のフラッシュバックが起きるのがほとんどでないでしょうか。
「他者への恐怖感」「孤独感」は一方への感情への「トリガー(引き金)」
さらに、どちらか一方の感情を感じても、その感情自体が「その時のいじめ」に引き戻すので、結果として、もう一つの感情、光景を想起させる事になります。すなわち、「他者への恐怖感」は「孤独感・他者への渇望」という感情を生じさせ、「孤独感・他者への渇望感」は「他者への恐怖感」を生じさせます(感情のフラッシュバックを引き起こす)。
「他者への恐怖感」「孤独感」という感情にがんじらめになる
こうした相反する感情が生じると、それは相反する感情のため、強い葛藤となります。その葛藤が起きると、まさに、そうした葛藤によって、がんじがらめになったように感じるのではないでしょうか?そのような呪縛によって、過酷な過去にとどまらせられてしまいます。ですから、どうにか、「今、ここ」に戻って来る事が必要になります。